糖尿病専門外来

DIABETES

糖尿病について

糖尿病はどんな病気?

糖尿病とは、すい臓から分泌されるインスリンの作用が不十分なために血液の中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。血糖は体にとって大切なエネルギー源ですが、高い状態が長く続くと、血管や神経に負担がかかり、さまざまな合併症の原因になります。

当院の院長は、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医として、糖尿病をはじめとする生活習慣病の診療に力を入れています。患者様一人ひとりの生活背景に寄り添いながら、長く安心して通える医療を目指しています。

糖尿病の分類

1型糖尿病

1型糖尿病は、膵臓でインスリンを作る細胞が壊れ、インスリンが分泌できなくなる病気です。生活習慣に関わらず発症し、治療にはインスリン注射が欠かせません。多くは若年期に発症しますが、全年齢で見られる疾患です。ご自身で注射を行うことに不安を感じるかもしれませんが、当院の看護師が手技やコツを丁寧に指導いたします。二人三脚でサポートしますので、どうぞご安心ください。

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンの分泌低下や効きにくさにより血糖値が上昇する病気です。遺伝的な要因に加え、過食や運動不足、肥満などの生活習慣が関与するとされています。すべての患者様に生活習慣の課題があるわけではありませんが、良好な血糖コントロールには食事や運動の見直しが極めて重要です。当院では、お一人おひとりの状態に合わせ、生活改善のサポートから内服薬、注射療法まで幅広く対応いたします。

妊娠糖尿病

妊娠中は身体の変化により、血糖値のコントロールが乱れる「糖代謝異常」が起こりやすくなります。妊娠をきっかけに初めて発見されたものを「妊娠糖尿病」と呼び、妊娠前からの糖尿病である「糖尿病合併妊娠」や、より重度の「妊娠中の明らかな糖尿病」と区別して診断します。母子ともに健やかな出産を迎えるためには、適切な血糖管理が欠かせません。当院では、お一人おひとりの状況に合わせた細やかなサポートを行っております。

その他の原因による糖尿病

特定の疾患や薬剤の影響で発症する糖尿病もあります。内分泌疾患や肝疾患、感染症などが原因となるほか、他の病気の治療でステロイド薬を使用されている方は、副作用による血糖値の上昇に注意が必要です。当院では、原因となる疾患の状況を踏まえ、体調に合わせた慎重な血糖管理を行っています。

糖尿病の診断基準

こんな症状・お悩みはありませんか?

  • のどの渇きを感じ、水分を摂る量が増えた
  • 最近体が疲れやすく、だるさを感じる
  • 油っぽいものや味の濃いものを好んで食べる
  • 家族や親族に糖尿病の方がおり、将来が不安
  • 夜間に何度もトイレに起きる
  • 特に制限をしていないのに、急激に体重が減った
  • 健康診断や人間ドックで、血糖値や尿糖を指摘された
  • 冷や汗や手の震え、異様な空腹感などの症状がある

糖尿病の現れ方は人によって様々で、早期発見が何より大切です。気になる症状がある方や、健診で高血糖・尿糖を指摘された方は、合併症を防ぐためにも、お早めに日本糖尿病学会認定専門医へご相談ください。

POINT

診断基準

糖尿病は、HbA1c(ヘモグロビンA1c)だけでなく、血糖値と組み合わせて診断します。

日本糖尿病学会では、次のいずれかを満たすと「糖尿病型」と判定します。  

  • 空腹時血糖値 126mg/dL以上
  • 随時血糖値 200mg/dL以上
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験 2時間値 200mg/dL以上
  • HbA1c 6.5%以上

血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型である場合、または典型的症状や糖尿病網膜症がある場合は、1回の検査で糖尿病と診断されます。片方のみ糖尿病型の場合は、別日に再検査して診断を確定します。  

健診で見落とされることがある理由

一般的な健診では、空腹時血糖だけが測定されることがあります。しかし初期の2型糖尿病では、空腹時血糖はそれほど高くなくても、食後に大きく上がる「食後高血糖」が先に起こることがあります。そのため、空腹時血糖だけでは見落とされる場合があり、HbA1cを合わせて評価することが大切です。  

合併症について

糖尿病を放置すると…?

血液の中に糖が多い状態が続くと、体のたんぱく質が糖化しやすくなり、さらに酸化ストレスや炎症も起こりやすくなります。こうした変化が少しずつ積み重なることで、細い血管の多い目・腎臓・神経が傷みやすくなり、同時に心臓や脳の血管にも悪影響を及ぼします。代表的な合併症は「糖尿病の三大合併症」と呼ばれる、神経障害・網膜症・腎症です。進行すると、手足のしびれ、視力の低下、透析が必要になるなど、生活に大きな影響を及ぼすことがあります。また、動脈硬化が進むことで、心臓病や脳卒中のリスクも高まります。

主な合併症

神経障害(ニューロパチー)

長期間高血糖が続くと、手足の神経がダメージを受け、「しびれ」「感覚の鈍さ」「痛み」などの症状が現れることがあります。さらに進行すると自律神経(血圧・排尿・発汗の調整など)にも影響が出る場合があります。

網膜症(目の合併症)

網膜の細かい血管が傷つくことで、視力低下や視界のかすみ、最悪の場合は失明にもつながることがあります。初期には自覚症状がほとんどないため、定期的な眼底検査が極めて重要です。

腎症(腎臓の合併症)

腎臓のろ過機能が徐々に低下し、たんぱく尿の出現やむくみなどの症状が出ることがあります。進行すると腎不全に至る場合があり、最終的には透析などの治療が必要となる可能性があります。

糖尿病の合併症は、早期に適切な治療を行うことで予防や進行の抑制が可能です。少しでも気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。

糖尿病の検査

空腹時血糖

朝食前に測定した血糖値です。糖尿病型は126mg/dL以上です。 

随時血糖

食事時間に関係なく測定した血糖値です。糖尿病型は200mg/dL以上です。

75gブドウ糖負荷試験

空腹時にブドウ糖を飲み、その後の血糖値の変化を見る検査です。

食後高血糖や境界型の評価に役立ちます。2時間値200mg/dL以上で糖尿病型です。  

HbA1c

過去1~2か月程度の血糖の平均的な状態を反映します。

ただし、貧血や赤血球寿命の異常などで実際の血糖状態とずれることがあります。  

GA(グリコアルブミン)

食事時間に関係なく測定した血糖値です。過去2~3週間程度の血糖変化を反映します。

短期間の変化を見たいときに役立つ検査です。  

尿検査

尿糖、尿蛋白、尿アルブミンを調べます。糖尿病性腎症の早期発見にも重要です。

糖尿病の治療

糖尿病の治療は、「生活習慣の改善」と「薬による治療」を組み合わせて行います。食事療法と運動療法が基本で、必要に応じて内服薬やインスリン注射を使用します。大切なのは、ご自身の生活リズムに合わせて無理なく続けていくことです。

「マンジャロ」について

マンジャロとはどういう薬?

マンジャロは、チルゼパチドという成分を含む、週1回投与の注射薬です。

日本では2型糖尿病に対して承認されています。食事療法・運動療法を十分に行っても効果不十分な場合に適用を考慮いたします。

マンジャロの特徴

血糖値を安定させる作用

体内にある、GIPとGLP-1という2つのホルモンの受容体に働きかけ、インスリンの分泌を促します。血糖値を良好な範囲に保つとともに、満腹感を持続させて食欲を調整する作用があります。

週1回の投与で継続しやすい

週に一度の自己注射で効果が持続するため、毎日の処置が必要ありません。お仕事や家事で忙しい方でも、日常生活のリズムに合わせて治療を継続いただけます。

 体重減少効果

血糖値のコントロールと併せて、体重管理をサポートする働きも報告されています。個々の状態に応じた治療計画の一環として、健康の維持・増進に役立てることが可能です。

マンジャロの使用方法・治療の流れ

1.週1回の注射(2.5mg)お腹や太もも、腕などに自己注射します。4週間後に5mgへ増量します。

2.医師の指導に従う使用開始後も定期的に医師の診察を受け、効果や副作用を確認しましょう。マンジャロは必要に応じて増量していきます。

3.生活習慣の改善お薬の働きを適切に活かすため、バランスの良い食事や適度な運動を並行して行います。当院では管理栄養士らと共に、無理のない生活習慣づくりを支援いたします。

当院のマンジャロ治療について

マンジャロ(チルゼパチド)は、週1回の自己注射で血糖コントロールを改善する新しいタイプの糖尿病治療薬です。当院では、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医である院長のもと、医学的根拠に基づいた治療を行っています。一人ひとりの血糖パターンや低血糖リスク、他の薬との相性などを検討しながら使用を判断いたします。治療内容やご希望については、診察の際に丁寧にご説明いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

※マンジャロは2型糖尿病の治療薬です。糖尿病の診断が確定している方のみが対象となります。

※主な副作用として、吐き気、下痢、便秘、腹痛、食欲低下などの消化器症状があり、すべての方に適応するものではありません。また、低血糖、急性膵炎、胆のう炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー、イレウスなどの重大な副作用が起こる可能性があります。

※当院では、美容目的・体重減少を目的とした自費診療(メディカルダイエット)は行っておりません。

FreeStyleリブレProについて

当院では、上腕のセンサーで最長14日間のグルコース値を自動記録する「FreeStyleリブレPro」を導入しています。昼夜を問わない血糖変動の可視化により、食後高血糖や隠れた低血糖の把握、薬の調整、生活習慣の改善に役立てます。最近はHbA1cだけでなく、目標範囲内の時間割合を示すTIRも重視されており、本機器はその評価にも有効です。HbA1cの数値に現れない不調がある方や、今の治療を詳しく確認したい方に推奨しています。

治療の流れ【糖尿病と診断されたら?】

Flow01

生活習慣の見直し(食事・運動療法)

糖尿病の治療の基本は、生活習慣を整えることから始まります。まずは、食事・運動・睡眠など、日常生活の中にある「血糖値を左右する要素」を少しずつ見直していきます。食事では、主食・主菜・副菜のバランスを意識し、糖質をとり過ぎない工夫を行います。極端な食事制限ではなく、「続けられる食事内容」を一緒に考え、無理なく改善を目指します。


Flow02

薬物療法

生活習慣の改善だけでは血糖値のコントロールが難しい場合、薬による治療を行います。血糖を下げる作用のある薬には、飲み薬やインスリン注射などさまざまな種類があります。当院では、血糖値だけでなく、肥満の有無、低血糖の危険性、腎機能、心血管リスクなども考えて薬を選びます。「薬を飲み始めたら一生やめられないの?」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、体の状態が安定すれば薬を減らせることもあります。


Flow03

定期的な検査・経過観察

糖尿病は、症状がなくても進行してしまうことがある病気です。そのため、定期的に血液検査や尿検査を行い、血糖値の変化や腎臓・肝臓などの機能をチェックします。検査の結果をもとに、生活習慣の見直しや薬の調整を行い、無理なくコントロールできる状態を保ちます。


Flow04

合併症の予防と早期発見

糖尿病を放置すると、血管や神経が少しずつ傷つき、目・腎臓・神経などに合併症が起こることがあります。しかし、早めに対策を行えば、合併症を防ぐことも十分可能です。当院では、定期的な検査や早期発見のためのチェックを大切にしています。「最近視力が落ちた」「しびれを感じる」など、気になる変化があれば遠慮なくご相談ください。

治療を続けていくために

糖尿病の治療は「短距離」ではなく「長いお付き合い」です。だからこそ、患者様が前向きに続けられるよう、当院では丁寧な説明と小さな成功体験を大切にしています。「どうせ続かない」「また怒られるかも」と思わずに、どんな小さなことでも気軽に相談してください。私たちは、患者様が自分の体と前向きに向き合えるよう、一緒に伴走します。

当院の糖尿病治療の特徴

#01

糖尿病専門医による、安心の診療体制

当院では、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医である院長が、ひとりひとりの生活に寄り添った治療を行っています。単に数値を下げるだけでなく、日々の食事・運動・お薬のバランスを大切にしながら、無理のない血糖コントロールを一緒に目指します。糖尿病をはじめとする生活習慣病の診療に力を入れ、患者様が長く安心して通える医療を心がけています。

#02

食事療法 ― 「我慢」ではなく「バランス」を大切に

糖尿病の治療の基本は、毎日の食事を見直すことです。当クリニックでは、管理栄養士が主食・主菜・副菜のバランスを意識した食事をご提案しています。栄養バランスを整えることで、血糖値の安定だけでなく、体調全体の改善にもつながります。

#03

運動療法 ― 毎日の中に取り入れられる工夫を

運動は、筋肉がブドウ糖を取り込みやすくし、インスリンの効きを良くします。また、体重管理、脂肪肝、血圧、脂質の改善にも役立ちます。大切なのは、激しい運動よりも続けられる運動です。

ウォーキングや自転車、食後の散歩などがおすすめですが、当院では、体力や年齢、関節の状態などを考慮し、患者様に合った運動方法もご提案します。

#04

薬物療法 ― 安心して続けられる治療を

生活習慣の改善だけでは血糖値のコントロールが難しい場合、薬による治療を行います。血糖を下げる仕組みや低血糖リスク、体重への影響などが異なることを考慮し、さまざまな治療法の中から患者様の状態に合わせて薬を選びます。治療を始める前に、薬の効果や副作用、使用方法について丁寧にご説明します。

糖尿病のリスクを減らすには?

糖尿病は「うまくつき合う病気」です。血糖値をコントロールできていれば、合併症を防ぎ、元気に日常生活を送ることができます。大切なのは、治療を続けることと定期的に状態を確認することです。

POINT1

定期的な通院と検査を欠かさずに

体調が安定していても、血糖値やHbA1c(平均的な血糖の指標)は知らないうちに変化していることがあります。定期的な通院と検査を続けることで、早めに変化に気づき、合併症を防ぐことができます。

POINT2

生活リズムを整える

食事や睡眠、運動のバランスが乱れると、血糖コントロールが難しくなります。一度に完璧を目指すのではなく、「少しずつ整える」ことを意識していきましょう。忙しい日でも、朝食を抜かない・階段を使うなど、小さな積み重ねが大きな効果につながります。

POINT3

不安や変化を感じたら、早めに相談を

「最近疲れやすい」「手足がしびれる」「体重が急に変わった」などの変化は、血糖値の変動や合併症のサインかもしれません。気になることがあれば我慢せず、早めに医師に相談してください。

継続は、いちばんの治療です。

一人で悩まず、気になることがあればいつでもご相談ください。

糖尿病の治療は、日々の生活と深く関わるからこそ、不安や迷いが生まれるのは自然なことです。私たちは、そんな思いに寄り添いながら、あなたのペースで前に進めるようサポートしていきます。